SpecialContents vol.11 その時、あなたの暮らしは大丈夫?震災に備えた室内環境

9月1日は「防災の日」。震災の被害を最小限に抑えるには、建物自体の安全性はもちろん、日頃からの心構えがとても重要になります。そこで震災に備えた家具のレイアウトなど部屋ごとの安全性を見直し、より安心・安全な暮らしを手に入れましょう。

「もしも」に備えた室内環境づくりを

建物が震災に耐えられる構造でも、揺れによって家具が倒れたり棚から物が飛び出したりすると、思わぬ怪我をすることがあります。そこで部屋ごとに注意したいポイントをご紹介しましょう。

すべての部屋に共通するポイント

point1

家具は倒れても出入口を塞がない位置にレイアウトし、固定する

家具は揺れによって倒れる方向を把握し、震災時にもし倒れてしまっても出入口を塞がず、人が下敷きにならない位置にレイアウトしましょう。 家具の転倒は、天井と家具の間の隙間を埋めることで防ぐことができます。転倒防止用のアイテムとして、突っ張り棒タイプのものや(※)、隙間収納を兼ねたボックスタイプのものなどがあるので活用すると良いでしょう。また家具が倒れる方向の前面の下に板などを挟んでおくと、家具の後部が浮きにくく、倒れにくくすることができます。棚の扉にガラス面がある場合は、飛散防止フィルムを忘れずに貼りましょう。

※二重天井の場合は、突っ張り棒タイプのものを使用すると負荷によって天井を突き抜けてしまう可能性があるので、
あらかじめ図面を確認願います。

point2

本棚は固定し、本の飛び出しを防ぐ

写真 本棚

本棚は倒れると本が飛び出して危険なだけでなく、いったん本が散乱してしまうと後片付けも大変なので、他の家具と同様に転倒しないよう固定しておきます。壁にL字金具などで固定するのも有効ですが、固定金具は戸境壁には設置できないので、あらかじめ図面で確認しましょう。

本と本の間に隙間があると、棚が倒れなくても本が飛び出しやすくなるので、ブックエンドなどで固定しておきます。重い本はなるべく下段に収納し、棚の扉にガラス面がある場合は飛散防止フィルムを貼りましょう。

point3

テレビや家電は転倒を防止し、上に物を置かない

テレビやパソコンなどの家電は、目線以上の家具の上や壁面といった高い位置に置かず、できるだけ低い位置に耐震マットで固定して置くと安全です。また、落下すると危険な物は上には置かないようにしましょう。

写真 家電
point4

照明はシーリング式が安心

写真 照明

ペンダント型の照明は地震の揺れによって振り子のように動き、天井や家具にぶつかって電球が割れたり、頭に当たって怪我をすることがあるので、できればシーリング式のものに変更を。そのまま使うなら、なるべく吊り下げる紐を短くします。

point5

ガラスや割れ物の飛散防止

ガラスは、割れるととても危険な存在に。戸棚の扉やドアの一部のほか、絵画の額やフォトフレームなどにも使用されている場合が多いので、飛散防止用のフィルムを貼っておきましょう。
また、陶器の花瓶や飾り皿なども、割れると危険なので、なるべく低い位置に置きましょう。

高い位置に食器など割れ物を収納すると、万が一、揺れで落ちてきた時に人にぶつかったり、割れて足元に破片が散乱して危険です。また重い鍋なども落下すると危ないので要注意。どちらもなるべく腰より下の位置にある引き出し式の収納にしまいましょう。
引き出しのない棚に収納する場合、皿などは、ファイルケースなどに立てて収納すると飛び出しにくくなります。

写真 ガラス、割れ物

※足元にガラス片などが散乱すると、避難時の
妨げになってしまいます。

キッチンは割れ物のほか、刃物などもあり、震災時には足元が危険な状態になりがちなので、普段からスリッパなどを履く習慣をつけておきましょう。

point6

物は落ちないように工夫する

写真 飾り棚

※飾り棚も、物を置く際は転落防止のマットを
忘れずに。

出窓や飾り棚、家具・家電の上に物を置く場合、底面に転倒防止のマットなどを敷くなど、落下しないような工夫を。

point7

ピアノなどタイヤが付いたものの滑り出しに注意

ピアノは脚にタイヤがついていることも多く、揺れによって滑り出したり、壁と反発して前面に倒れたりすることがあります。必ず販売店に相談し、専用の固定具でタイヤを固定しておきましょう。

写真 ピアノ

リビングは安全な空間の確保が大切

リビングは人が集まるスペース。家族全員が一度に被害に遭ってしまうのを防ぐためにも、震災時には特に、家具が倒れて下敷きになる・棚の上の物が落ちて当たる・棚の扉が開いて中の物が飛び出して当たる、といったケースを防ぐことが大切です。

キッチンは割れ物や火元など、危険がいっぱい!

キッチンは食器火元があり、震災時には特に注意が必要な場所です。割れ物・重い物はなるべく低い位置に置き、ダイニングテーブルがあるなら、人が一時的にもぐり込んで身を守れるよう、下には何も置かないようにしておきます。
また、火の上に落ちてしまうところには、燃える物は絶対に置かないように。スプレー式の簡易消火器など、一次消火に使うアイテムは火元から離して常備します。

寝室はベッドや布団の上に家具が倒れ込まないように!

暗い中で数時間を寝て過ごす寝室は、誰もが一番無防備になる場所。過去の大震災での犠牲者は室内での被害が大多数ですが、家具の下敷きになるケースが最も多くなっています。

写真 寝室

寝室に家具を置く場合、なるべく奥行きがあり、低いものにすると転倒しにくく安心。壁面につけてレイアウトし、窓を背にして設置しないこと。上下に重ねるタイプのタンスなどは、必ず接合部をしっかりと固定しましょう。絵画の額は、ベッドの枕元などにはかけないようにしたほうが無難です。

子ども部屋は、大人が駆けつけるまでの安全を確保

小さな子どもは、地震の揺れにパニックを起こしたり、また逆にぐっすり寝ていると大地震でも起きないことがあります。大人がかけつけるまでに危険が及ばないよう、特に家具の倒壊や小物の散乱に注意しましょう。
二段ベッドや、重ねて使うシステムデスクなどは、接合部をしっかりと固定しておくこと。

写真 子ども部屋

※家具はしっかり固定し、大人が駆けつけるまでの
安全を確保しよう。

写真 収納ボックス

※ボックスにそのまま収納すると、飛び
出して足元に散乱することに……。

小物やおもちゃなどは、棚に置いておくだけだと揺れで飛び出し危険なので、引き出しやボックス型の収納スペースに片づけておくと安心です。

バルコニーからの避難経路の確保を

震災時は、二次的に火災が起きたりして玄関ドアから出られなかったり、建物の入り口まで続く共用部が通れなくなっている場合もあります。そのような場合に備え、避難経路となるバルコニーの「避難用隔て板」や「避難ハシゴ」、「避難ハッチ」の付近には物を置かないようにしておきましょう。いざという時に使えるよう、家族で経路を確認しシミュレーションしておくと良いでしょう。

「もしもの備え」を再確認しておこう

災害時に電気や水道などのインフラが断たれてしまった場合に備え、「インフラが復旧するまでの間の生命を維持し、いかに快適に過ごすか」を考えて、必要なものを「わが家の防災グッズ」として用意しておきましょう。

それぞれの家庭にマッチした「防災グッズ」の用意を

避難時に自宅から持ち出せる量は限られています。そこで、市販の「非常用持ち出し袋」に自分や家族に必要なものを加えて、オリジナルのものを用意すると良いでしょう。

【優先順位を決めコンパクトにまとめよう】

「非常用持ち出し袋」に詰める内容は、家族が"本当に必要なもの"を見極め、優先順位の高いものから厳選することが重要です。「水と食料3日分を用意しておく」という話を聞きますが、"災害に備える"という観点から言うと、実はあまり優先順位が高くありません。現在の日本ではどこの自治体でも災害対策を行っており、インフラが停止するような大災害が発生しても数日内に救援物資が届くのはほぼ間違いないためです。
最優先すべきアイテムは「実際に生命の危機に陥るリスクを軽減するもの」。持病がある人は、忘れないように薬も入れておきましょう。
次に「自宅が危機に面した場合に避難を手助けするもの」、「避難が避難所などで長期にわたる場合に健康をなるべく維持するために必要なもの」、さらに「より避難生活を快適にすごせるようにするもの」の順で用意します。

家庭で用意しておくと良いもの

いわゆる「非常用持ち出し袋」に入れておくもの(一次持ち出し品)を用意してみましょう。

非常用持ち出し袋の内容(例)

さらに、余裕があれば次のようなものも用意しておくと便利です。(二次持ち出し品)

避難時にあると便利なもの

「もしも」に備えて家族で決めておきたいこと

災害時、家族全員が自宅にいるとは限りません。そこで、お互いの無事を素早く把握できるようにするためにも、災害時の共通認識が必要です。自宅からマンション外部への避難経路はもちろんのこと、家族が集合する場所をどこにするか、またそこまでの避難方法、安否確認の方法は、あらかじめ家族会議で決めておきましょう。

災害に有効なサイトも確認しておこう

災害時は回線が混雑し電話の使用が難しくなるため、比較的つながりやすいインターネット回線で安否確認することをおすすめします。NTTが提供する「災害用伝言ダイヤル」・「災害用伝言板」を利用するのも良いでしょう(どちらも災害時に提供開始、通常時は体験版のみ利用可能)。
また、内閣府のホームページではゲーム感覚で震災について学べる「防災シミュレーター」もあるので、事前に家族で閲覧してみてはいかがでしょうか。

災害用伝言ダイヤル(171)

地震、噴火などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される"声の伝言板"。電話番号(固定電話)をキーにして、安否等の情報を音声で登録・確認できる。

災害伝言ダイヤル(171)ご利用方法
利用できる電話
  • 加入電話
  • INSネット(※)
  • 公衆電話
  • ひかり電話(※)
  • 災害時にNTTが避難所などに設置する特設公衆電話
  • 携帯電話、PHS

(詳しくは各通信事業者へ確認をお願いします)
※ダイヤル式電話をお使いの場合には、ご利用になれませ
ん。

http://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/

災害用伝言板(web171)

インターネットを利用して、被災地の方の安否確認を行う伝言板。災害時のみ提供が開始される。

http://www.ntt-east.co.jp/saigai/web171/

防災シミュレーター(内閣府)

震度6強の地震に対して、「どんな予防対策を取らなくてはいけないか?」「どんな避難行動をとるべきか?」を疑似体験するロールプレイングゲーム。大地震への予防や避難を体験できる。

http://www.bousai.go.jp/simulator/shindo6/

予知が難しい震災は、正しい知識と日頃の対策が重要です。この機会に家族全員で室内環境を見直し、話し合って、被害を最小限に抑えるためにできるだけのことをしておきたいですね。

このページの先頭へ戻る